大人の矯正治療の4つ目的
咀嚼機能の改善
しっかり噛めるようにする
歯は大きく4つの種類(前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯)に分類でき、それぞれの異なる役割を有しているため、形態も異なっています。矯正治療によりそれぞれの歯が力を発揮でき、上下でしっかり噛み合う位置に並べ直し、食べ物をきちんと噛み切れる噛み合わせをつくることが矯正治療の最大の目的です。
虫歯や歯周病のリスクの軽減
歯磨きしやすい環境をつくる
歯並びが乱れていると、歯ブラシが届きにくい箇所が出てくるため、歯磨きが不十分になります。また、唾液による自浄作用も低下するため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。矯正治療により歯並びを整えることで、歯磨きがしやすい環境となり、虫歯や歯周病のリスクを軽減することができます。
発音や呼吸の改善
鼻呼吸をしやすく
歯のすき間や上下のアゴのズレにより、息が漏れたり、舌をうまく使えなかったりして、発音に支障が出ている場合があります。また、前歯が出ていて、口が閉じにくい場合は、口呼吸となってしまいます。歯並びを整えることで、発音も明瞭となり、鼻呼吸しやすくなります。
美しいスマイルや口元の獲得
コンプレックスの解消
矯正治療をすることで、歯並びや噛み合わせが整うとスマイルや口元の見た目が綺麗になります。そのことでコンプレックスが解消し、人前で思い切って笑えるようになったという感想をよくいただきます。見た目の改善も矯正治療の重要な目的の一つです。
矯正治療と審美治療の違い
矯正歯科治療は、自分の歯を動かして歯並びをきれいにするのに対して、審美歯科治療は歯を削り、セラミックの被せ物を被せることで歯並びをきれいにします。
矯正治療は、通常1年半から2年半の期間がかかりますが、審美歯科治療は、歯の状態にもよりますが、1〜2ヶ月程度で治療を終えることができます。短期間で治療を終了できることが審美歯科治療の最大のメリットで、芸能人などで多く見られます。
しかし、年齢が若い時期に歯を削ることによる侵襲は大きく、短期的にはメリットがあっても、長期的に歯の健康面から見ると問題が起こってきます。現在は、裏側矯正治療やマウスピースの矯正治療など治療中の見た目に配慮した治療方法もありますので、審美治療を受ける前に矯正歯科専門医にてご相談されることをお勧めいたします。
対象年齢
永久歯列が生えそろう12歳から13歳以上からが治療の対象となります。50代、60代でも治療は可能で、特に年齢制限はありません。ただ、歯科的な問題点をクリアする必要があります。
30歳以上の成人矯正治療において、虫歯や歯周病、歯の欠損、合ってない被せ物や詰め物などが全くなく、すべて健全な天然歯であるケースはそれほど多くはありません。
それらの様々な歯科的問題を抱えた成人の矯正治療希望の方に対して、歯並びの治療計画だけで治療を進めていってしまっては、逆に噛み合わせが崩れたり、治療期間が延長したりして、歯の寿命を縮めてしまうこととなることもあります。
つまり、歯並びだけでなく一般歯科治療も含めた治療計画を立案し、治療を進めていく必要があるということです。
当院では、必要があれば、同系列の一般歯科クリニックと連携をとりながら、処置を進めていきます。
治療期間
治療期間は歯並びの状態によって、異なるので、特に決まった期間というものはありません。大きな目安を言えば、全ての歯にブラケットをつける矯正治療で、歯を抜かないケースは1年半から2年、歯を抜くケースは、2年から2年半ぐらいです。もちろん歯並びの乱れがごく1部に限局されたケースは、半年から1年程度で終了することもあります。
また、年齢とともに治療期間は伸びる傾向にあります。期間のことだけで言えば中学生から高校生ぐらいが最も歯が動きやすいので、比較的治療期間は短縮されます。
メリット
笑った時の見た目だけでなく、口元や横顔が美しくなります。
整った歯列は、歯磨きがしやすく、歯周病や虫歯の予防になります。
噛み合わせが、良くなることで、よく噛めるようになり、食事の際の消化の助けとなるため、胃腸に負担がかからなくなります。
デメリット
装置を装着した直後は発音がしにくくなるため、聞き返されたりすることが増えるかもしれません。ほとんどの方は、1週間から10日程度で慣れて、普通に喋れるようになります。
他の歯科治療よりも、長い治療期間かかります。歯を抜かない場合は、1年から1年半程度ですが、歯を抜く場合は、約2年から2年半ぐらいです。
歯磨きが、しにくくなるため、歯磨きをしっかりしていただかないと、虫歯や歯周病になってしまいます。
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