表側矯正(ラビアル)とは
歯の表側に矯正装置を装着する治療方法です。矯正装置の中ではもっともポピュラーな装置になります。最近では治療期間も短く、痛みも少ない治療が可能な装置や目立たないセラミックブラケットなど、選ぶことができるようになっています。
短期間での矯正治療
セルフライゲーションブラケットの仕組み
セルフライゲーションブラケットとは、シャッター機能を持つブラケットで、従来のブラケットのようにワイヤーとブラケットをゴムや細いワイヤーで固定しないため、ワイヤーとの間にゆとりが生まれ、摩擦抵抗を少なくなります。このようにブラケットとワイヤーとの摩擦抵抗が少なくなる事により、弱い力で効果的に歯を移動できるので、矯正治療中の痛みの軽減と、治療期間の短縮ができるのが、最新のブラケットセルフライゲーティングブラケットの特徴です。
主なセルフライゲーティングブラケットの種類


矯正用インプラントアンカーについて
矯正用インプラントとは、矯正用に作られた小さなスクリューです。スクリューを治療期間の一時期に顎骨に入れることにより、それを歯を動かす力の支点(固定源)とすることで、今まで難しかった歯の移動や、患者様の協力(ベッドギアー・ゴム)をほとんど必要としない矯正治療が可能となりました。

口蓋に植立した矯正用インプラントから外側を向いている大臼歯を内側に引っ張っています。インプラントを使用しない場合はより違和感が大きい複雑な装置になります。

糸切り歯とインプラントを結紮することで、臼歯を前に来ないように固定しています。通常はヘッドギアを使用するため、患者さんの協力が必要不可欠です。矯正用インプラントにより患者さんの負担が少なく、効果が確実になりました。
表側矯正の症例
01




症例解説
反対咬合(前歯の逆の噛み合わせ)の改善を主訴に当院に来院されました。上顎前歯は、前方に傾斜させて被蓋関係を改善させました。下顎歯列については、下顎第一第二大臼歯間に矯正用アンカースクリューを埋入し、そこから臼歯の遠心移動を行うことで、下顎前歯を舌側に傾斜させました。治療期間は、 1年9ヶ月でした。
主訴 | 反対咬合 |
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年齢・性別 | 30代女性 |
使用装置 | ラビアルブラケット (クリッピーC)、リンガルアーチ 矯正用アンカースクリュー |
治療方針 | 上顎前歯を前方に傾斜させて、反対咬合の改善を行う。 下顎前歯は矯正用アンカースクリューを使用し、後方に傾斜させる。 |
リスク及び副作用 | 矯正治療においては以下のようなリスクや副作用が考えられます 歯根吸収(歯の根が短くなる症状) 歯肉退縮(歯茎が下がる症状) アンキローシス(歯と骨が癒着し歯が動かない状態) 歯髄壊死(歯の神経が失活した状態) 顎関節症状(顎の痛み) |
抜歯部位 | 非抜歯 |
治療期間 | 1年9ヶ月 |
リテーナー | 上下フィックスリテーナー、上下アップアラウンドリテーナー |
費用
診断料 | 38,500円 |
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装置料 | 594,000円 |
調整料 | 5,500円/月(27回) |
保定料 | 44,400円 |
※すべて税込の料金です。
02




症例解説
反対咬合(前歯の逆の噛み合わせ)と全体的なガタガタの改善を主訴に当院に来院されました。上顎前歯は、前方に移動させて反対咬合と叢生の改善を行いました。下顎歯列については、下顎第二大臼歯部後方に矯正用アンカースクリューを埋入し、そこから臼歯の遠心移動を行うことで、叢生を改善させるためのスペースを確保しました。治療期間は、2年4ヶ月でした。
主訴 | 反対咬合。全体的なガタガタ。 |
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年齢・性別 | 30代女性 |
使用装置 | ラビアルブラケット (クリッピーC)、矯正用アンカースクリュー |
治療方針 | 上顎前歯を前方に傾斜させて、叢生の改善と反対咬合の改善を行う。 下顎臼歯は矯正用アンカースクリューを使用し、後方移動を行う。 |
リスク及び副作用 | 矯正治療においては以下のようなリスクや副作用が考えられます 歯根吸収(歯の根が短くなる症状) 歯肉退縮(歯茎が下がる症状) アンキローシス(歯と骨が癒着し歯が動かない状態) 歯髄壊死(歯の神経が失活した状態) 顎関節症状(顎の痛み) |
抜歯部位 | 非抜歯 |
治療期間 | 2年3ヶ月 |
リテーナー | 上下フィックスリテーナー、上下アップアラウンドリテーナー |
費用
診断料 | 38,500円 |
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装置料 | 594,000円 |
調整料 | 5,500円/月(27回) |
保定料 | 44,400円 |
※すべて税込の料金です。
03



症例解説
主訴は前歯が出前歯で噛めないことを主訴で当院に来院されました。上顎の歯列の幅が狭かったので、クワドヘリックスという装置を使用して、上顎歯列の拡大を行なったのちに、ラビアルブラケットを装着しました。最終的には前歯にかけるゴムを使用して前歯の噛み合わせの改善を行いました。また、術後の咬合の安定のために、治療開始時よりMFT(筋機能療法)を並行して行い舌位の改善を行いました。
主訴 | 出っ歯。上下前歯の中心のずれ。 |
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年齢・性別 | 10代女性 |
使用装置 | ラビアルブラケット (クリッピーC) |
治療方針 | 上上顎歯列の拡大と上下前歯にエラスティックを使用した咬合の確立治療と並行して、MFTを行い舌位の改善を行う。 |
リスク及び副作用 | 矯正治療においては以下のようなリスクや副作用が考えられます 歯根吸収(歯の根が短くなる症状) 歯肉退縮(歯茎が下がる症状) アンキローシス(歯と骨が癒着し歯が動かない状態) 歯髄壊死(歯の神経が失活した状態) 顎関節症状(顎の痛み) |
抜歯部位 | 上顎右側第一小臼歯 |
治療期間 | 1年 |
リテーナー | 上下フィックスリテーナー、上下アップアラウンドリテーナー |
費用
診断料 | 38,500円 |
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装置料 | 517,000円 |
調整料 | 5,500円/月(24回) |
保定料 | 44,400円 |
※すべて税込の料金です。
04




症例解説
主訴は前歯が出ていることと、上下の前歯の中心がずれていることを当院に来院されました。
上顎正中が左方に偏位し、右側の臼歯関係がangle class Ⅱとなっていました。上顎右側第一小臼歯を1本抜歯し、上顎前歯を右方に移動させて、上下前歯の正中を一致させました。また、過蓋咬合に関しては、下顎前歯部の圧下を行うことで改善させました。治療期間は、1年11ヶ月です。
主訴 | 出っ歯。上下前歯の中心のずれ。 |
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年齢・性別 | 10代女性 |
使用装置 | ラビアルブラケット (クリッピーC) |
治療方針 | 上顎前歯の右方移動を行い、上下正中を一致させる。 |
リスク及び副作用 | 矯正治療においては以下のようなリスクや副作用が考えられます 歯根吸収(歯の根が短くなる症状) 歯肉退縮(歯茎が下がる症状) アンキローシス(歯と骨が癒着し歯が動かない状態) 歯髄壊死(歯の神経が失活した状態) 顎関節症状(顎の痛み) |
抜歯部位 | 上顎右側第一小臼歯 |
治療期間 | 1年11ヶ月 |
リテーナー | 上下フィックスリテーナー、上下アップアラウンドリテーナー |
費用
診断料 | 38,500円 |
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装置料 | 671,000円 |
調整料 | 5,500円/月(24回) |
保定料 | 44,400円 |
※すべて税込の料金です。
05




症例解説
八重歯の改善を主訴に当院に来院されました。上下第一小臼歯の抜歯スペースを利用し、上下顎前歯の叢生の改善を行いました。治療期間は、2年4ヶ月でした。上下の犬歯がかなり高い位置にあったため、エラスティックを自身で使用していただくことで、犬歯の位置を是正しました。
主訴 | 八重歯 |
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年齢・性別 | 20代女性 |
使用装置 | ラビアルブラケット (クリッピーC)、パラタルアーチ |
治療方針 | 上下第一小臼歯の抜歯スペースを利用して、叢生の改善を行う。第一大臼歯のクロスバイトの改善のために、上顎第二大臼歯を抜歯し、上顎第一大臼歯間の幅径の拡大を行う。 |
リスク及び副作用 | 矯正治療においては以下のようなリスクや副作用が考えられます 歯根吸収(歯の根が短くなる症状) 歯肉退縮(歯茎が下がる症状) アンキローシス(歯と骨が癒着し歯が動かない状態) 歯髄壊死(歯の神経が失活した状態) 顎関節症状(顎の痛み) |
抜歯部位 | 上顎両側第一小臼歯、上顎両側第二大臼歯、下顎両側第一小臼歯 |
治療期間 | 1年7ヶ月 |
リテーナー | 上下フィックスリテーナー、上下アップアラウンドリテーナー |
費用
診断料 | 38,500円 |
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装置料 | 671,000円 |
調整料 | 5,500円/月(19回) |
保定料 | 44,400円 |
※すべて税込の料金です。
06




症例解説
八重歯と全体的なガタガタの改善を主訴に当院に来院されました。上下第一小臼歯の抜歯スペースを利用し、上下顎前歯の叢生の改善を行いました。また健全な上顎第三大臼歯が萌出してたので、第一大臼歯のクロスバイト(逆の噛み合わせ)の改善のために、上顎両側第二大臼歯を抜歯し、上顎両側第一大臼歯間の幅径の拡大をパラタルアーチを使用して行い、上顎第三大臼歯を上顎第二大臼歯の位置に移動させて、下顎第二大臼歯と咬合させることにしました。治療期間は、2年4ヶ月でした。
主訴 | 八重歯。全体的なガタガタ。 |
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年齢・性別 | 20代女性 |
使用装置 | ラビアルブラケット (クリッピーC)、パラタルアーチ |
治療方針 | 上下第一小臼歯の抜歯スペースを利用して、叢生の改善を行う。第一大臼歯のクロスバイトの改善のために、上顎第二大臼歯を抜歯し、上顎第一大臼歯間の幅径の拡大を行う。 |
リスク及び副作用 | 矯正治療においては以下のようなリスクや副作用が考えられます 歯根吸収(歯の根が短くなる症状) 歯肉退縮(歯茎が下がる症状) アンキローシス(歯と骨が癒着し歯が動かない状態) 歯髄壊死(歯の神経が失活した状態) 顎関節症状(顎の痛み) |
抜歯部位 | 上顎両側第一小臼歯、上顎両側第二大臼歯、下顎両側第一小臼歯 |
治療期間 | 2年4ヶ月 |
リテーナー | 上下フィックスリテーナー、上下アップアラウンドリテーナー |
費用
診断料 | 38,500円 |
---|---|
装置料 | 671,000円 |
調整料 | 5,500円/月(28回) |
保定料 | 44,400円 |
※すべて税込の料金です。