保定期間について
装置を撤去し、矯正治療が終了した直後は、歯茎や骨が動かした歯の位置にしっかり馴染んでいないため、歯並びが元に戻りやすい状態と言えます。それをできるだけ、戻らないように、しっかりと固定を行う期間が保定期間です。特に、最初の3〜4ヶ月は、歯根膜という根っこの周りの組織が再編成しているので、最も戻りやすい期間と言われており、注意が必要です(終日の取り外し式のリテーナーの使用が必須)。一般的に保定期間は、最低1年程度から治療期間とほぼ同等の期間(2年から2年半程度)です。
保定期間は何をするかというとリテーナーという後戻り防止装置を使用していただきながら、年に2から3回メインテナンスに通っていただきます。
リテーナーの種類
01フィックスリテーナー
前歯の裏側に0.45mmの細いツイストワイヤー(3本のワイヤーを捻っているワイヤー)を接着させて固定します。
再びすき間が開いたり、ガタガタになることを防止するための装置です。
歯を抜いたケースは、左右の小臼歯間に、歯を抜かないケースは左右の犬歯間に装着させることが一般的です。
接着剤は薄く盛り上げるので、発音に支障をきたすことはありませんし、しっかり歯ブラシを当てれば、この装置が原因で虫歯や歯周病になることもありません。
02ベックタイプリテーナー
歯の周りを0.8mmのワイヤーで取り囲み歯の移動を防ぐ、取り外し可能な装置です。
内側もプラスチックの床で裏打ちするため、歯列の幅を広げたケースや、歯を抜いたケースの歯列の維持には非常に有効です。
取り外しのリテーナーでは第一選択の装置となります。
03QCMリテーナー
ベックタイプリテーナーとほぼ同じ構造の装置です。
前歯を取り囲む部分が透明なファイバーでできているので、審美性に優れています。
しかしながら、長期間の使用で劣化するデメリットがあります。
04クリアリテーナー
クリアなマウスピースタイプの装置で、取り外しが可能な装置です。
とても目立ちにくい装置なのですが、歯の噛み合う面を覆うため、矯正治療後も上下の歯が噛み合うように誘導させたいケースは適さないことがあります。
ベックタイプリテーナーと比較して、長期の使用で劣化してしまうので、再作成が必要な場合があります。
メインテナンス時に行うこと(所要時間30分)
リテーナーの状態確認
まずフィックスリテーナーが外れていないかと、取り外し式の装置(ベックタイプリテーナーなど)の適合が悪くなっていないかの確認を行います。
再装着、調整等
フィックスリテーナーが外れていたり、接着材が薄くなっていたら、再装着を行います。取り外し式装置もワイヤーのバネを締めて、適合の調整行います。
クリーニング
歯石とりと歯の表面のクリーニングを行います。
フッ素塗布
フッ素の塗布を行います。
当院は、治療終了後2年間はメインテナンスに来ていただき、保定の管理をさせていただいています。この2年間は、矯正治療の保証期間にもなっていますので、後戻りした際の再治療に関しても、通院毎の調整料(5,500円)のみで治療を受けることができます。
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