SAGA EKIMAE
ORTHODONTICS
佐賀駅前矯正歯科
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アライナー矯正治療での矯正用アンカースクリューの役割について

2023.10.25

アライナー矯正治療においても、ワイヤー矯正治療と同様に矯正用アンカースクリューが必要となるケースがあります。それは以下のとおりです。

①エラスティックによる反作用を軽減したい場合

②アライナー単独での歯の移動が困難であるため、それをサポートしたい場合

まず、①についてですが、これは臼歯部の遠心移動を行うケースがそれに該当します。通法では、上顎歯列の遠心移動の場合は、2級エラスティック(上顎前歯と下顎臼歯にかけるエラスティック)を下顎歯列の場合は、3級エラスティック(下顎前歯と上顎臼歯にかけるエラスティック)を使用しますが、その際に、遠心移動したい歯列と対顎の歯列に対しても、反作用として前方に歯列が押し出される力がかかります。

対顎の前歯を前方に出したいなど、その反作用が有利に働くケースやそれが許容されるケースは、エラスティックの使用のみいいのですが、対顎の歯列をできるだけ前方に動かしたくないケースには、矯正用アンカースクリューを植立する必要があります。上下顎にかけるゴムの力を緩め、その足りない分を矯正用アンカースクリューからのエラスティックで力をかけることで補う形です。対顎の前歯が歯肉退縮のリスクなどがあり、前方への力を絶対避けたい場合は、矯正用アンカースクリューからのエラスティックのみで対応することもあります。 それでは上顎歯列遠心移動と下顎歯列遠心移動ケースを1ケースずつ紹介いたします。

Ⅰ. 上顎の遠心移動ケース

患者さんは23歳の女性で、主訴は叢生、右上2番が舌側転位していることで、右側側切歯がクロスバイト、さらに上顎正中が右方に偏位していました。下顎前歯部には叢生があり、左下1は唇側に飛び出していて、歯肉が薄い状態であることがわかります。上顎臼歯の遠心移動で行うことで、上顎前歯の右上2番のスペースを確保していくことにしましたが、左下1番が前方に押し出される力をかけたくなかったので、矯正用アンカースクリューを使用して、下顎歯列にかかる負担を少なくすることにしました。治療期間は2年3ヶ月で、下顎前歯の歯肉退縮が起こることなく治療を終了することができました。

Ⅱ. 下顎の遠心移動ケース

患者さんは、32歳の女性で、右側の犬歯および大臼歯関係は3級、左側の犬歯臼歯関係は1級、右側側切歯はクロスバイトで、下顎正中は左方に偏位し、上下前歯部に叢生を認めました。また、下顎両側8番が半萌出している状態だったので、下顎右側8番を抜歯し、下顎右側臼歯部の遠心移動を行うことで下顎前歯部の叢生を改善させることにしました。上顎前歯にも叢生があったため、できるだけ上顎前歯が前方にフレアすることも避けたかったため、下顎右側臼歯部に矯正用アンカースクリューを植立し、下顎右側臼歯の遠心移動に使用しまいた。治療期間は1年7ヶ月で、右側の臼歯および犬歯関係も1級関係となりました。

②については、次回のブログで解説したいと思います。

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Ⅰケース目

・20歳代 女性
・装置:インビザライン
・抜歯部位:非抜歯
・治療期間:2年3ヶ月
・リテーナー:上下フィックスリテーナー, クリアリテーナー
・リスク及び副作用:
 歯根吸、歯肉退縮、アンキローシス、歯髄壊死、顎関節症状

Ⅱケース目

・30歳代 女性
・装置:インビザライン
・抜歯部位:非抜歯
・治療期間:1年7ヶ月
・リテーナー:上下フィックスリテーナー, クリアリテーナー
・リスク及び副作用:
 歯根吸、歯肉退縮、アンキローシス、歯髄壊死、顎関節症状

※写真の使用は患者様から同意を頂いております。

マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザ来院)
施術内容:カスタムメイドで作成された透明なマウスピースタイプの装置を、定期的に交換しながら少しずつ歯に適切な力をかけて、歯並びを治す歯列矯正治療です。

費用:検査・診断料¥38,500、基本料金¥704,000〜¥814,000、調整料¥3,300/月、矯正用アンカースクリュー¥22,000/本、保定装置¥44,000(税込)

副作用・リスク:自費診療(保険外診療)となります。症例によりますが、6ヶ月〜3年程度の治療期間が必要です。他の矯正歯科治療と同様に、セルフケアを怠ると、虫歯や歯周病を発症する場合があります。マウスピース交換後は、一時的な鈍痛や咬合痛を発症する場合があります。不正咬合の状態によっては、適応しない場合があります。当院の指示に従わない使用方法では歯が動かない場合があります。動的治療終了後は、保定装置を装着する必要があります。

医薬品医療機器等(薬機法)に関する記載事項:
・歯科用インビザライン矯正装置は、日本国内において薬機法未承認の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
・マウスピースに使用している材料自体は、日本の薬事承認を取得しています。
・「インビザライン」は米国アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、製品等は全て関連企業のインビザライン・ジャパン社より入手しております。
・日本国内においては、同様の医療機器が薬事承認を得ております。
・「インビザライン」は、世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに1100万人を超える患者さんたちが治療を受けています。(2021年12月時点)

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