矯正治療について

矯正歯科

矯正歯科

2018.08.19

成人矯正治療で注意すべきこと②


今回は、適切でない被せ物が入っている場合の矯正治療について解説いたします。被せ物は、本来の歯の傾きと異なった方向に作られている場合があります。元々、内側に入っている歯を前に出したり、前に出ている歯を内側に入れたりすることで、歯並びを修正するためです。しかしながら、無理をして歯の方向をかえて被せ物を作るので、きれいな歯の形態に作ることは困難です。

この様な本来の歯の傾きと異なった被せ物が入った状態で、矯正治療を行なってしまったら、歯の根っこが隣の歯の根っことぶつかったり、根っこが骨から飛び出したりするリスクがあり非常に危険です。

まずは、矯正治療開始前に、被せ物を外して、歯の傾きに合わせた土台を装着し、本来の歯の形や傾きを再現した仮歯を入れてから矯正治療をスタートする必要があります。矯正治療で根っこを適切な傾きに動かして、矯正治療が全て終了した後に、新しい理想的な形の被せ物を作り装着します。

以下に示す症例は、上の図に示す様なステップで治療を行なった患者さんです。

患者さんは24歳の女性で、元々、上の前歯4本が内側に入っていて、逆の噛み合わせ(受け口)だったそうです。当院に来院されたときは、前歯の向きを被せ物で修正した状態でした。被せ物をかなり前に傾斜させているため、歯の形態や機能にかなり無理が生じていました。

本来はどの様な前歯だったかを、まず模型上で再現しました。その後、同様の形の仮歯を装着してから、矯正治療を開始しました。

矯正治療と外科的矯正治療を終了し、前歯にセラミックの被せ物を装着した状態です。適切な歯の傾きとなり被せ物の形態も改善されていることがわかります。

本症例の様に被せ物がすでに入っている方でも矯正治療は可能です。しかし、矯正治療を開始するまでに準備が必要になり、ちょっと期間もかかってしまいます。それもより安全に治療を進めて行くためです。

昔した被せ物があり治療に不安な方はご相談ください。