矯正治療について

矯正歯科

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2019.10.09

矯正用アンカースクリューについて


矯正用アンカースクリューとは?

矯正用アンカースクリューは、直径1.6mm程度のスクリューピンで、歯茎に設置します。それを支点として歯を動かすことで、矯正治療をより効率的に進めていくことができる矯正器具です。

材質はチタン製で実際に数年・数十年という長期間、骨折時の骨接合に使用することや、人工の歯の土台(デンタルインプラント)として使用されており、骨との親和性が高く安全性が高い材質です。身体にほとんど害がない材質ですが、非常に稀ですが、重度の金属アレルギーがある患者さんには使用できません。

 

矯正用アンカースクリューがなぜ必要?

「なんで矯正治療のために歯茎にネジを打つの?」とびっくりされる方も多いです。今では、成人矯正治療において、矯正用アンカースクリューを用いた治療はスタンダードとなっています。

 

実際に歯をうごかす場合、動かしたい方向の歯を固定源(複数の歯で固定源とする)として、歯を移動させて行きます。しかし、結局お互いに引っ張り合っている状態なので、固定源となっている動かしたくない歯まで動いてしまうことになります。

しかし、実際には、固定源となる歯を全く動かしたくないケースも多くあるため、矯正用アンカースクリューが必要となるのです。スクリューと固定したい歯をワイヤーで結んだり、スクリューから直接、歯に力をかけることで、固定したい歯が動いてしまうのを心配せずに移動させることができます。

従来は、固定源となる動かしたくない歯を固定するときは、ヘッドギアの使用が不可欠でした。このヘッドギアという装置は、装着が煩わしい上に、長時間装着しないときちんとした効果を得ることができませんでした。一方で、矯正用アンカースクリューは、一度安定すると、絶対的な固定源として働くので、ヘッドギアのように患者さんが頑張る必要はありません。

 

処置は非常に低侵襲!

虫歯の治療の際に使用する局所麻酔をごく少量(0.2ml程度)使用して、無痛的に行っていきます。時間は1本15分程度です。麻酔が切れても痛みがない方も多く、痛み止めを飲んだとしても1回分程度です。

さらに、スクリューを植立する際は、電動のトルクドライバーを使用するので、骨に対して強い応力がかからないので安全に処置を行うことができます。

治療終了後にスクリューを撤去しますが、撤去する際は、麻酔を行わなくても痛みを感じることはありません。スクリューを外した際にできる歯肉の小さな傷は2〜3日で修復されます。

アメリカのangle orthodontist という雑誌に2008年に掲載された論文で、患者さんの術前に予想した痛みと術後の実際の痛みをVAS法を使用して比較したところ、矯正用アンカースクリュー植立においては、術前に予想した痛みよりも実際の痛みが有意に低い値を示したという結果でした。つまり、皆さんは、ネジを歯茎に入れると聞くとすごく痛い処置を想像してしまうのですが、実際には予想よりずっと痛くないということです。安心して処置を受けられてください。

 

でも脱落することも

約1〜2割のアンカースクリューは安定しないことがあります。治療終了後には、撤去するため、骨にくっつかない構造になっているので、一度緩んでしまうと力をかけることができなくなります。その場合は、撤去して、別の部位に再装着させていただきます。その際に追加の料金は頂きません。

 

ガミースマイルの治療にも効果的

ガミースマイルとは、笑った際に過剰に歯茎が露出した状態を言います。矯正用アンカースクリューで前歯を上に移動させることで、歯茎を見えにくくすることができます。